Updated in October 2004  引用の際は著者名を明記ください。廣嶋清志
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質問

少子化という用語  高齢社会とは  離婚率とは  年次別年齢別人口の電子ファイルは
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少子化という用語

 少子化という用語が政府ではじめて使われたのは,経済企画庁の国民生活白書1992年(少子社会の到来,その影響と対応)が最初といわれていますが,本当ですか?  2002年7月11日

 「政府」の定義にもよりますが,私の知っている限りでは,厚生大臣の私的諮問機関「これからの家庭と子育てに関する懇談会」(座長 木村尚三郎)が1990年1月31日に厚生省に提出した「これからの家庭と子育てに関する懇談会報告書」の中のものが最初です。そこでは冒頭,「我が国の出生率は,ここ数年低下が続いており,21世紀の社会を担う子どもたちが減少している。このような少子化は,子どもの健やかな成長に大きな影響を及ぼすおそれがあるばかりでなく,...」と述べています。懇談会メンバーの9人の内のどなたかの発案かもしれません。

高齢社会とは

65歳以上人口が7パーセントに達すると高齢社会というのはなぜですか?  2002年7月9日

 私の考えは,少し古い論文ですが,ここにあります(雄山閣『現代福祉学レキシコン』1993年,「高齢社会」原稿)。
つまり,65歳以上人口7%を高齢社会とするのは今日ではあまり根拠がないといっていいでしょう。

 ではどの程度を高齢社会の初期段階とすべきでしょうか。あえて,試論を書くとすると,人口置換え水準(人口が増えも減りもしない出生率と死亡率の水準)で現れる65歳以上人口割合(安定人口高齢割合)の50%としてはどうでしょうか。つまり,出生率が人口置換え水準に回復した状態がずっと永く続いたとしたときの高齢人口割合がいわば本来的・最終的な高齢化の到達点と考え,その中間地点を高齢化の始まりと考えるものです。
 具体的にこれがどの程度の高齢化であるかを見てみます。日本では1955年に純再生産率NRRが1.06になり,このときの安定人口高齢割合は13.73%,また,1965年にNRRが1.01で,安定人口高齢割合15.82%です(国立社会保障・人口問題研究所『人口統計資料集』)。したがって,その半分は約7%ということになります。これが国連が1956年に高齢人口の目安として示した7%にほぼ一致することは興味深いです。
 一方,死亡率が変化していくことを考慮して,将来の死亡率を仮に平均寿命85.3年の水準とすると,これに対応する出生率(静止粗再生産率)のもとでの安定人口高齢割合は25.1%となり(廣嶋1999),したがって,その半分は12.5%となります。これは現実の日本人口では1990年代前半に到達しました。
 このように,高齢社会の始点を「人口置換え水準における安定人口高齢割合の半分」と設定したとしても,7-13%と相当幅があることになりますが,現時点では12.5%としてもいいのではないでしょうか。
 さらに,この25.1%を超える高齢化を超高齢化というとすると,それは置換え水準以下の出生率によってもたらされた過剰な高齢化つまり本来的な高齢化以上の高齢化であるということになります。
 なお,上記の25.1%,12.5%という数値は死亡率水準によっていくぶんかは変わるはずです。

離婚率とは

2002年6月

離婚率は、2000年に日本2.1人 (1000人あたり)、米国4.7人(1000人あたり)という数字を検索で得たのですが、この1000人には赤ちゃんから お年寄りまで全員入っているのですよね。
そのとおりです。離婚件数26万4000件÷日本の全人口12700万人=2.1です。 年齢別の人口,性別の人口というのは手に入りにくい場合があるので,全人口を使います。 これは一番簡単な離婚の発生のしやすさをあらわす指標で,粗離婚率といいます。
よくアメリカの離婚率は高く、2組に1組は離婚する(50%?)など とも聞きます。50%だととても高い感じがします。
結婚した人をずっと追いかけて統計を作るとそういう数字が出ます。 この方が分かりやすいですね。
1000分の4.7だとそれほど多いような感じはありませ ん。
たしかに,ピンと来ない欠点があります。
「国によって人口の年齢分布が違う」という問題も含まれています。
なにしろ粗離婚率の分母となる人口には赤ちゃんから年寄りまで入っているのですから。
4.7は何故高い離婚率と言えるのでしょうか?
それは日本の日本2.1人(1000人あたり)に比較して倍ぐらい高いからです。
ヨーロッパでも主要な国でアメリカほど高いところはありません。
このように比較して判断できるわけです。ところが例えば日本の2.1に近い2.4という 国があったとして,日本より離婚率が高いといえるのかというと簡単にはいえません。
その理由は主には分母となる人口の年齢別構成が違うからです。他にも理由があり,粗離婚率が精密な指標ではないからです。
この場合だいたい同じくらいだということです。
日本の夫婦の何%が離婚するのでしょうか? 
近年20%から25%に近づいているようです。 下記拙稿をご覧ください。 「結婚と出生の社会人口学」目黒依子・渡辺秀樹編『家族』(講座社会学 第2巻)東京大学出版会,1999,21-57。
「結婚した人をずっと追いかけて統計を作る」のは大変なので, (現在結婚した人を追いかけるとすると少なくとも30,40年かかります) その代わりの計算も行われます。

性・年齢別人口の電子ファイル

2004年10月

日本の性・年齢各歳別人口の電子ファイルは入手できるでしょうか? 
総務省統計局の国勢調査の時系列というところに1920-1995年5歳階級別人口があります。
年齢各歳人口はBerkeleyのMortality Databaseからダウンロードできます。これには1月1日現在の推計人口もあります。これらは年齢不詳を按分した日本人人口です。人口動態統計公表値が日本人に限定しているのに対応させたものです。

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